福山市で建てる注文住宅の断熱工法
注文住宅の断熱工法には、大きく分けると外断熱と内断熱の2種類があります。まずは、外断熱と内断熱の違いについてご紹介します。
外断熱(外張り断熱)
外断熱とは、構造体の外側に断熱材を設置する工法です。木造や鉄骨造では建物の柱の外側に、RC造(鉄筋コンクリート造)では、コンクリート構造体の外側に断熱材を設置します。外断熱はポリスチレンフォームや硬質ウレタンフォームなどの発泡プラスチック系断熱材を使用するのが一般的です。
外断熱は建物の外側に近い部分を断熱材で覆うため外気の暑さや寒さが室内に伝わりにくく、断熱性や気密性が高められる点がメリットです。光熱費を抑えたい場合や高断熱・高気密を実現したい場合に向いています。また、結露が発生しにくい点も特徴です。
>>福山市で建てる注文住宅の断熱性能や室温の基準となる省エネ基準・ZEH・HEAT20の違いと光熱費を比較一方で、外断熱は断熱材で建物全体を包み込むため、壁が分厚くなりやすいのが特徴です。外壁が厚くなる分、余分に土地が必要となるデメリットがあります。狭小地での計画や複雑なデザインの間取りには向かないでしょう。また、内断熱と比較すると大掛かりな工事となるため、費用が高くなる傾向があります。
内断熱(充填断熱・内張り断熱)
内断熱とは、建物の構造材の内側に断熱材を設置する工法です。木造や鉄骨造では柱と柱の間に、RC造では室内側のコンクリートに沿って断熱材を設置します。
内断熱は吹きつけ型の発泡ウレタンフォームや繊維系断熱材などが検討できます。外断熱よりも幅広い断熱材を検討できる点が特徴です。内断熱は比較的安価で施工できます。また、充填断熱では壁の厚みや間取りに影響がなく、どのような住宅でも検討しやすいところがメリットです。
一方で、断熱材で建物全体を包み込んでいるわけではないため、外断熱と比較すると断熱性能や気密性が劣りやすいです。また、気密性が低いと、壁の内部に結露が起こりやすい点もデメリットです。結露が発生すると住宅性能の低下につながる可能性があるでしょう。施工時に防湿気密フィルムなどを使った湿気対策が必要なケースもあります。
注文住宅の床断熱とは
床断熱とは、室内の床材と床下の空間に断熱材を充填する工法です。一般的な断熱工法で施工しやすく、床から伝わる暑さや寒さをダイレクトに遮断できる点がメリットです。また、性能が落ちたときにやり直すことができます。
一方で、床下は外気を通しているので、冬の冷気が床下に入り込むのが特徴です。床下の構造により断熱材の厚みが制限されている場合は、寒さが伝わることがあります。また、床断熱は基本的には床下の通気性がよく湿気によるカビやシロアリの発生を抑えられますが、換気口を塞いでしまうと結露の原因になるため注意しましょう。
注文住宅の基礎断熱とは
基礎断熱とは、建物の基礎の立ち上がり部分を断熱材で覆う工法です。立ち上がりの内側に断熱材を貼る基礎内断熱と外側に断熱材を貼る基礎外断熱の2種類があります。
基礎断熱は、基礎を断熱材で覆うため、床下も室内空間の一部とみなします。床断熱よりも外側の基礎部分で寒さや暑さを遮るため、断熱性能が高く、室内の環境を快適に保ちやすくなります。
一方で、基礎断熱はシロアリ被害が懸念されます。シロアリは蟻道を作り、基礎部分に侵入します。基礎断熱をしていると床下の状況を確認できないため、気が付いたときには被害が拡大しているケースがあります。基礎断熱をするときには、シロアリ対策を念頭に置くことが大切です。
断熱材の種類
ここまで解説してきたように、外断熱や内断熱、基礎断熱などの断熱には断熱材に使用します。断熱材とは、熱の伝達を妨げる素材のことです。住宅で使う断熱材には、主に下記のような種類があります。