例えば、広島県福山市の地域区分は5~6なので、0.6以下のUA値を確保することがZEHの条件です。
また、ηAC値(平均日射熱取得率)とは、冷房期に室内に入ってくる日射熱を数値化したものです。値が小さければ小さいほど日射熱の影響を受けにくく、冷房効率が高くなると言えます。
ZEHではUA値の基準と併せて省エネ基準のηAC値や気密性、防露性能の確保などの留意事項も満たす必要があります。
② 一次エネルギー消費量を20%以上削減する
一次エネルギーとは冷暖房や照明、給湯など住宅内で使用する設備のエネルギー消費量を合計したものです。ZEHでは、基準一次エネルギー消費量から20%以上削減することが条件です。
・断熱性能を高めて冷暖房の利用頻度を抑える
・省エネ性能のある設備を選択する
・HEMSを導入し電力の利用状況を可視化し省エネを促進する
など、一次エネルギー消費量を削減する工夫を取り入れることが求められます。
③ 再生可能エネルギーを導入する
再生可能エネルギーとは「枯渇しない」「温室効果ガスを排出しない」エネルギーのことです。ZEHでは再生可能エネルギーの導入が条件なので太陽光発電や太陽熱の利用、地熱利用などを検討する必要があります。
例えば、日照時間の長い地域では屋根に太陽光パネルを設置することで、効率よく創エネが実現できます。
④ ①~③を行い基準一次エネルギー消費量から100%以上削減する
ZEHのメリットとデメリット
ここからはZEHのメリットとデメリットについてご紹介します。
ZEHのメリット
ZEHのメリットとしては、次の点が挙げられます。
・光熱費を抑えることができランニングコストを削減できる
・冬は暖かく夏は涼しい暮らしやすい室温を維持できる
・住宅内での温度差を減らせるのでヒートショック対策ができる
・太陽光発電や蓄電池を導入している場合は災害時や非常時に活用できる
冷暖房をフル稼働させなくても、快適な住環境を維持できるようになります。
ZEHのデメリット
ZEHのデメリットとしては、次の点が考えられます。
・導入コストやメンテナンスコストがかかる
・デザインや間取りに制限が出る可能性がある
・太陽光発電の場合は想定通りの発電量は維持できるとは限らない
ZEHは省エネ設備や再生可能エネルギー設備を導入しなければならないため、通常の住宅よりも建築時にコストがかかる傾向があります。
参考元:資源エネルギー庁『ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)』>>参考コラム:福山市蔵王町の建築相場は?年収や住宅ローン返済額を考慮して予算を組もう>>参考コラム:福山市の住宅ローンの特徴・金利は?手順や知っておきたいポイントを解説
ZEHの補助金制度
先ほどZEHの導入にはコストがかかると述べましたが、少しでも負担を軽くするために国土交通省・環境省・資源エネルギー庁が連携して補助事業を実施しています。
補助事業の内容は変更されていくので、住宅を検討するときには最新情報を確認するようにしましょう。2023年8月時点では補助金の代表的な3つの区分があり、条件や金額が異なります。
・ZEH
・ZEH+
・次世代ZEH+
例えば、ZEH補助事業では、ZEHの条件を満たすと1戸当たり55万円の補助金を受け取れます。
参考元:資源エネルギー庁『ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)』参考元:一般社団法人環境共創イニシアチブ『経済産業省及び環境省による戸建ZEH補助事業』>>参考コラム:広島県福山市で受けられる補助金は?福山市の支援制度を徹底解説
広島県福山市の気候やZEH区分
広島県の東部に位置する福山市は、年間平均気温は15.7度と比較的温暖な気候です。雨や雪も少なく日照時間が確保できるため、太陽光発電に向いている地域だと言えるでしょう。福山市の地域区分は、5~6に該当します。