住宅において気密性が重要な理由
住宅の気密性とは建物内の隙間をできる限り減らし、建物の密閉性の高さを示した性能のことです。快適な室内環境を維持するためには、気密性が重要です。
気密性が高いと室内の空気が逃げにくく、冷暖房を使い調整した室温を維持しやすくなります。冷暖房をつけても、気密性が低いと屋根や壁、窓などの隙間から外気が出入りし、部屋の温度に影響を及ぼします。
また、室内の空気の流れを乱さず、計画的に空気を入れ替えるためにも、気密性が必要になります。
換気の重要性
では、せっかく気密性を高めても、なぜ換気しなければならないのでしょうか。
気密性だけを考えていると室内のCO2濃度や湿度を調整できず、室内の空気が汚れてしまいます。定期的に換気して新鮮な空気を取り込むことで、室内の快適さは保たれます。
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気密性能C値とは
住宅の気密性は「C値」という数字で表されます。C値は建物の隙間面積(㎠)を、延床面積(㎡)で割った数値です。C値が小さいほど、隙間が少なく気密性は高い住宅ということになります。
住宅の気密性を高める要素
冷暖房効率や換気効率を上げるために重要な気密性を高める要素としては、主に次の3つが挙げられます。
・気密シート、気密テープ
・窓の種類
・工務店の施工力
気密シート、気密テープ
気密部材として、気密シートや気密テープが使われます。給排気口など、隙間ができやすい部分は要注意です。建築途中の建物を見られる構造見学会などで確認したり、工務店の担当者に質問したりすることをおすすめします。
窓の種類
どのような窓を採用するかでも、気密性は左右されます。
「引き違い窓」はよく使われる窓ですが、気密性は低くなりがちです。気密性を意識する場合は「片開き窓」「すべり出し窓」などがおすすめです。また、窓に使用されるガラスやサッシの性能も、気密性に影響します。
工務店・メーカーの施工力
工務店の施工力も、気密性を左右するポイントです。気密シートや気密テープ、断熱性の高い窓を採用していても、それらを設置する職人の作業が丁寧でなければ、本来の性能は発揮されません。安心して任せられる工務店を選びましょう。
気密測定を実施して気密性能を確認しよう
気密測定とは、専用の機械を使って住宅の気密性能を測定することです。気密測定ではC値を測定・算出して、建設中もしくは完成した住宅がどの程度の気密性を発揮できているのかを確認します。
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広島県福山市のZEH基準、HEAT20基準
高断熱に関わる指標として「UA値(外皮平均熱貫流率)」も存在します。UA値は次の計算式で求めます。
外皮平均熱貫流率(UA値)[W/m2K]=建物が損失する熱量の合計[W/K]÷外皮面積[㎡]
UA値は住宅の外皮からどれだけ熱が出入りするかを表した数値で、数字が小さいほど断熱性に優れています。
広島県福山市で基準となるUA値は、次の表のとおりです。